カスタマーサクセスの基本 Part2
[販売検討から、継続利用まで、カスタマーライフサイクル]
カスタマーライフサイクルとは、製品購入の検討から、購入、実装、最適化、効果測定、ニーズの再確認、リニューアルと全てのステージでカスタマーサクセスを全てのフェーズでカスタマーに提供するものです。売り切りではなく、長期的にカスタマーにサクセスを届けるという概念になります。
カスタマーサクセスロールがメインに担当するのは、購入後になり、購入ステージは営業が担当しますが、営業担当もカスタマーサクセスのマインドを持って対応します。カスタマーサクセスを掲げている企業では、どのロールもその企業で働く全員がカスタマーサクセスを意識しています。SAPはトップからカスタマーサクセスをコミュニケーションをし、社員全員でカスタマーサクセスのマインドを徹底付けています。
カスタマーライフサイクルに対して、売り切りモデルはワンタイムバリューと呼ばれます。
[カスタマーサクセスがどのようにカスタマーとエンゲージするのか?]
契約を継続するためにカスタマーサクセスロールは常にカスタマーの成功を考えて、エンゲージメント活動を行っています。
一般的にカスタマーサクセスロールは、カスタマーのビジネス目標を十分理解して、自社製品を持ってその目標を達成するのに伴走すると言われたりします。例えば、ERPで言えば2026年までに生産性を10%アップする事で、自社ビジネスのxxx部分に注力する。とか、基幹システムの一本化を図り、集約したデータによって、新規ビジネスのヒントを得る、経営の意思決定速度を早める。などあると思いますが、そのビジネス目標を元にサクセスプランを作成します。そのプランは多岐にわたりますが、例えばリソースや情報の提供、他のカスタマーとの事例交換、イベントへのお誘い、事例の提供、トレーニング、エグゼクティブ同士のエンゲージメント、他社とのエグゼクティブ同士のエンゲージメント、製品プロダクトとの座談会へのお誘い、社内リソースのアレンジ、プロダクトロードマップの紹介、目標達成の助けになりそうな機能の紹介、何か問題を抱えている場合はカスタマーと一緒に問題解決をしたり、たくさんの引き出しからそのカスタマーにあった活動を提供していったりします。
ただカスタマーサクセスだから、お客様は神様だからといって何でもかんでも手厚くやるわけではありません。先ほど伴走という言いましたが、お客様の代わりに手を動かすのは代走なので、カスタマーサクセスはやらないですが、他のリソースをアレンジする事は多くあります。
間違えだらけでありがちなのが、カスタマーの言う通りにやたらプロダクトの追加機能のリクエストを支援したり、なんでもかんでもサポートチケットのエスカレーションのは違います。カスタマーサクセスと、サポートの違いを勘違いする人も多くいるようです。ここは[カスタマーサクセスロールと、サポートロールの違い]セクションをご覧ください。
ちなみにカスタマーのサクセスを単なる利用率の増加と勘違いする人もたくさんいると思います。利用率はシステムから抽出しやすい情報ではありますが、これは真のカスタマーサクセスにおいてのカスタマーのサクセスとは違います。あくまでも自社製品を使ってどうビジネスを成功するのか?ここを十分理解してプランを作成します。B to Bの場合通常は長期プランになります。長い道のりでモチベーションが低くなる時もあるかもしれません。そんな時も寄り添いまた軌道に乗せるのもカスタマーサクセスの役割だと思っています。カスタマーサクセスはインフルエンサーと位置付けする事も多いようです。
[カスタマーサクセスロールと、サポートロールの違い]
サポートは、障害、質問などのお問い合わせをチケットを作って対応します。通常どこかの国に集約されていて、日本語対応できるサポートもいます。サポートの場合はチケットがトリガーとなり、それについて解決をしたら、チケットをクローズするいわゆるReactiveに対応するものになります。それに対してカスタマーサクセスは、長期的にカスタマーのビジネス目標への伴走をするので、あらかじめプランをし、Activeに提案していきます。KPIも違います。サポートのKPIは、スピードや質などになりますが、カスタマーサクセスはリテンションやNPSやコストを伴うリニューアルレートやアップセルなどになります。
たまにカスタマーが間違ってサポートとカスタマーサクセスが一緒だと思う方もいて、なんでもカスタマーサクセスロールに聞く事がある場合は、きちんと説明をしないと行けません。本来の姿をお伝えして、納得してもらった状態で自分たちでできるように導くことをします。でなければずっとカスタマーは成長せずに、自立もできません。本来クラウドはセルフサービスであり、カスタマーサクセスロールの役割はカスタマーが自分でできるようにする事です。
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